2015年12月26日土曜日

~~~~~~~~~~~~~
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)12月26日(土曜日)
         通算第4761号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 中国国内の武器市場も肥大化、大量の銃がでまわっている
  地下経済に存在した武器のブラックマーケット
****************************************

 ネット時代、素人の起業家が銃の密造に励み、しかもそれをネットで売る。
 なんでもあり、の中国だから、ま、あり得る話ではある。
 中国では黒社会(マフィア)ばかりか、素人にも、武器の所持が拡大している。公式の武器貿易はNORINCO(北方工業集団)など、国有企業が取り仕切っている上、中国の法律では軍と警察以外、個人で武器所持は許されていない。
 近年は猟銃さえ規制が厳しくなった。

ましてや武器の密造など、認められている筈がない。NORINCOの輸出は1億6000万ドルとされる。
 ところが、国内にある武器市場は地下経済で猖獗を極めるようになり、ネットで製造方法を取得し、部品をばらばらに仕入れて、ネットで通信販売というニュービジネスに治安当局が振り回される事態となった。
 ネットでの助言者は「QQ集団」と呼ばれる。

 むろん、ネットでは暗合が使われ「狗友」(密売仲間)、「狗食」(銃弾)などで頻繁な通信があり、おたがいがハンドリングネームを名乗るため、実態は不明。密造工場の大規模なものは貴州省の小都市でみつかり、部品工場は広東省が多いという。
 当局が最近手入れした安徽省のグループは700件以上の取引を成立させていたという(米国ジェイムズ財団「チャイナ・ブリーフ」、12月21日号)。

 これまで武器の地下市場はヤクザが取り仕切り、軍の横流し武器などを取引してきた。マーッサージパーラーなどの売春組織、ナイトクラブのボディガードたち、石炭の経営者などが顧客で、地下経済の主力である麻薬、博打、売春などの「防衛」に欠かせない。

 ところが、ネットで取引される武器の顧客は、銃マニアが主力、密造も素人がネットで製造知識を仕入れ、部品を特注し、しかも性能は軍が使用する武器に遜色がないと言われている。それも暗合で通信しあうというのだから、徹底的に異次元の空間から出現したのである。
    
  ◇□○ △◎○ □◇□ ○△◎ ○□◇
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(年末年始の小誌の発行予定) 12月29日から1月3日までは原則休刊です 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆書評 ◎しょひょう ▼BOOKREVIEW □書評●
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 「ピルグリムファーザーズ」って、犯罪者か、契約移民だった
   日本でキリスト教を普及させようと思ったら『日本のほうが徳目が高かった』

  ♪
日下公人、高山正之『世界は邪悪に満ちている だが、日本は・・・・』(ワック)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 世界は邪悪に満ちているのなら、この本は正義に満ちている?
 ともかく異論をとなえはじめるや他の追随を許さない双璧が対談すると、波乱含みの発言に満ちあふれ、しかも日本のメディアがまったく報道しない、あるいはこうした視点から分析しないイシューを多角的に論じ合うわけだから面白くない筈がない。
 一気に読むのがもったいないので、四回ほどにわけて列車や飛行機のなかで読んだ。
 途中、おもわず膝を打ったり、うなったり、なるほど、そうだったのかと疑問が氷解した箇所もあれば、目から鱗が落ちた記述も多かった。
 アメリカ批判を高山さんが口火を切った。
  高山 「(アメリカで)「黒人問題は終わったと言えるのか。げんに黒人が街角で射殺されたり、黒人の失業率が高止まりしている。『黒人奴隷制は終わった問 題だ』と言っているけど、実際には終わっていませんよ。過去の問題と言っているけどまったく違う。それなのに平気で他国のことを言う(鯨を捕る日本が悪い とか)」
つまり、かれらのやり方とは
「論理がないから、威圧で押さえ込む」のである。
 日下 『アメリカに渡ったピルグリム ファーザーたちは、だいたいが犯罪者なんです。『刑務所からだしてやるから、アメリカに行って開拓でもしていろ』と言われて追い出されてきたような人た ち。彼らは、知らない土地に追い出されたから、『神の恩寵がある』とでも思っていなければ生きていけなかった。それで彼らは『信仰の自由』という格好いい ことを言い出した』。
そのあとに続いた移民も「契約移民が多い。アメリカに行くといっても船賃も払えない貧乏な人たちだから、アメリカに着いたら船賃分だけ働いて、働き終わったら用済みになる」
つまり棄民だった。豪州の最初に移民は新しい流刑地だったように。
 この契約がアメリカの教会経営にも生きた。
 教会が廃れると教会さえが売り買いの対象となる。野心的な企業家が教会を買いたたき、あたかもビジネスのように寄付を集めて経営するのだ。
信者を増やすために、富裕層からカネをあつめる。だから日下氏は次のように比喩する。「アメリカの教会はそんなにありがたいものじゃない。やりかたはフランチャイズのハンバーガーチェーンと同じやり方なんです」
 したがって日本でも同様に一等地にキリスト教系の大学をじゃんじゃん建てて、効率的な普及をしようと思ったら、
「日本のほうが徳目が高かった」(高山)ので、いまもってキリスト教は日本では普遍化しないというわけだ。
 随所で語られる意外な真実に、アメリカ文化を崇拝している人が読むと卒倒するような内容となっている。

     ◇□○ △◎○ □◇□ ○△◎ ○□◇ 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
樋泉克夫のコラム 知道中国 連載1340回
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  ♪
【知道中国 1340回】 
  ――――「市店雜踏、穢臭衝鼻、覺頭痛??」(岡81)
   岡千仞『觀光紀游』(岡千仞 明治二十五年)

  △
 17、18日の両日は「中土風俗」について自らの体験を踏まえ綴っている。

  ――「中土の風俗」は南北で違っている。北の原野を旅する際は騾驢(ラバ)を、南方の水郷を進むには小舟を使う。北方の「小民(くさたみ)」は田畑を耕す 傍らで牧畜に勤しみ、「淳樸勤倹(きまじめじっちょく)」の「古風」を残している。これに対し南方の「小民」は多く生活の糧を「舟楫(ふね)」に求め、婦 女も男子と同じく肉体労働を厭わない。「中人」でアメリカや南洋の各港湾都市に住む者が何十万を数えるかは不明だが、その半数は広東人である。

  「中民」は殊に結婚式と葬式を重んじ、全財産を擲ってでも盛大に行おうとするが、全く以て無意味に過ぎる。男女の間は厳しく隔てられ、良家の婦女は屋敷の 奥まった部屋から出ることは許されず、血縁以外との交際は禁じられ、他人と顔を合わせることがない。外出時には窓が塞がれた轎を使い、往来から他人に顔を 覗かれないようにする。街路を歩いている女性がいたら、「小民婦女」でなかったら「良家」の「婢妾(かこわれもの)」だ。

足の小さい婦女が貴ばれ、5,6歳になったら足を固く縛り上げる。その痛さに血の涙を流すそうだが、それでも縛り続ける。いちばん小さい足は「三四寸」 で、歩く時には両脇から支えられなければならない。とはいうものの北方では必ずしもそうというわけではなく、清朝守備兵である八旗の婦女は纏足などしな い。

河北省がイチバン穢く不潔このうえないが、こういった様子は南下するに従って薄れ、広東になると立ち居振る舞いや言葉遣いは頑迷な陋習を脱している。(3月17日)――

中国と中国人に対する岡の考えに“我が意を得たり”と思うことは屡々だったが、「広東になると立ち居振る舞いや言葉遣いは頑迷な陋習を脱している」の部分 だけは、どうにも納得がいかない。それというのも香港留学以来、広東語との付き合いを半世紀近く続けているが、どう贔屓目に見ても広東人の「言葉遣いは頑 迷な陋習を脱している」とは思えないからだ。広東語で書かれた文学には古来、ロクなものはない。だいたい広東語文学と呼べる作品にお目にかかったことがな い。優れた文学は優れた言葉から生み出されるものだろう。文学が言葉の芸術である以上、ロクな文学を生み出し得ない言葉は言葉としては劣っているのではな いか。広東語は依然として「頑迷な陋習を脱してい」ないのだ。

ところで纏足について思い当るのは、村の牛飼いの悪ガキと街の可愛い少女の出会いを描く京劇の『小放牛』だ。牛飼いが少女の足を指して「こんなにも、こん なにも、マントウのようにデカい」と揶揄う場面があるが、往時の中国では美人の条件は足が小さいこと。「あんたの足は、まるで小舟のようだ」とは、女性に 対する最上級の侮蔑だったらしい。

 一方、「明治三十六年十一月二十二日、空は隈なく晴れて、塵ばかりの雲もなきに、かしま立ちする心も勇みぬ」の一文を綴り上海を離れ、塘古、北京を経て 蒙古少女教育のために最終目的地カラチンへと旅立っていった河原操子の『カラチン王妃と私』(芙蓉書房 昭和44年)には、こんな体験が記されている。

「純然たる女子教育の目的を以って設立せられ、東洋人の手で経営」される清国最初の女学校である上海務本女学堂に奉職した彼女は、「休憩時間には、我は率 先して運動場に出で、生徒をしてなるべく活発に運動せしむる様に努めた」が、「多年の因襲の結果としての」纏足から「思うままに運動する能わざるは気の毒 なりき」。よろよろと歩かざるをえない教え子らは、「されば大なる我が足、といいても普通なるが、彼等には羨望の目標となりしもおかしかりき」。
とはいえ「おかしかりき」「頑迷な陋習」は、纏足だけには止まらないのだ。
《QED》

    ○□△□ひ◇○◎□い◇□○□◎▽ず□○○△□み◇○◎□◇ 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(年末年始の小誌の発行予定)12月29日から1月3日までは原則休刊です
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ♪
(読 者の声1)広東省深セン郊外の地滑りは人災と中国当局も認めたようですが、貴誌によれば、この工業団地は「光明地区紅幼村柳渓工業団地」の由。ほかのメ ディアには、ここまで地名を特定したものが殆どありませんでした。その後、日本のメディアに伝わっていない詳細な異聞はありますか?
(YS生、世田谷)


(宮崎正弘のコメント)積み上げた土砂が滑落したことまでは映像からも確認できますが、ビルが沈んでいるフィルムもありました。やっぱり地盤沈下、もしくは地盤崩落をともなった事故ではないのでしょうか。
 事故から一週間も経過し、ようやく市長がでてきた謝罪しました。



   ♪
(読者の声2) 「われわれは愚かだった」 
米有力紙が“反省” 誇張されすぎた被曝リスク
http://s-radiation.info/?p=424
ウオール・ストリート・ジャーナルの記事を産経新聞が紹介してくださいました。
  (三浦生)



  ♪
(読者の声3)象印の社長が「爆買いのブームは去った」と会見しています。となると宮崎さんが預言されるように「突然死」を迎えることになりそうですね。
  (HG生、茨城)


(宮崎正弘のコメント)秋口から間違いなく免税店の売り上げが落ち込んでいます。中国からの観光客の数は維持されているようですが、明らかにモノを買わない。食事も吉野屋、回転寿司、立ち食い蕎麦ですね。
  鹿児島で上品な中国人グループを見かけたので「どこから?」と聞くと、米国からの華人グループでした。大隅半島の黒酢の名産地では、さすがに中国人は黒酢 を大量に買い込んでいました。「SARSにならない」という口コミがまだ根強く伝えられていますね。ともかく中国は明確に不況入りしています。
      ◇□み○△や◎○ざ□◇□き□◇ 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
宮崎正弘の新刊案内  http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  ♪♪
宮崎正弘 vs 宮脇淳子 
『中国壊死 百年変わらない腐敗の末路』(ビジネス社)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
 ――近代史家の宮脇淳子さんは、モンゴル、満州、チベットにとくに造詣が深く、独自の文明観から中国史を説かれる。現代中国の経済分析では定評のある宮崎と縦横無尽にシナについて語り合った結末は中国が近いうちに「壊死」をむかえるのではないか、という未来予測! 
(下記アマゾンへ。在庫僅少)
http://www.amazon.co.jp/dp/4828418512/
        ○○ ○ □▽ ◇□
 

  ♪
宮崎正弘の書き下ろし最新刊 快進撃
『「中国の終わり」にいよいよ備え始めた世界』
 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

――経済成長はついに7%を切り、米中首脳会談も完全に失敗に終わった。
――新シルクロード構想やAIIBなども展望が開けず、泥沼化する権力闘争のなかで、追い詰められた習近平は国内統制と軍事覇権の追求にひた走っている。
――各国を丹念に取材してきた著者が、衰退と暴走を繰り返す中国を、ついに切り捨て始めた世界の変化を明らかにし、「習近平Xデー」の可能性と中国の末路を分析する。
――混乱と崩壊へと向かいつつある中国の実態と、今後の世界情勢がわかります。
  -◎アマゾンからのご注文は下記です
http://www.amazon.co.jp/dp/4198640335/
   ▽□○□ ◎▽□○ ○△□◇ ○◎□◇ 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
******** 宮崎正弘のロングセラー *****************
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
♪♪
宮崎正弘のロングセラー 
+++++++++++
『アジアインフラ投資銀行の凄惨な末路』(PHP研究所、999円)
『日本が在日米軍を買収し、第七艦隊を吸収・合併する日』(ビジネス社)
『中国、韓国は自滅し、アジアの時代がやってくる!』(海竜社、1080円)
『中国大破綻 ついに失われる20年に突入する』(PHP研究所、1404円)
『日本と世界を動かす悪の「孫子」』(ビジネス社。1188円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、定価1620円)
『中国・韓国を“本気で”見捨て始めた世界』(徳間書店 1080円)
『台湾烈々  世界一の親日国家がヤバイ』(ビジネス社、1188円)
『「中国の時代」は終わった』(海竜社、定価1080円) 
『中国共産党、三年以内に崩壊する!?』(海竜社、1080円)
『中国バブル崩壊が始まった』(海竜社、1080円)
『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円)


<宮崎正弘の対談シリーズ>
++++++++++++
宮崎正弘 v 石平 『私たちの予測した通り、いよいよ自壊する中国』(ワック、972円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4898317286/
宮崎正弘 v 渡邊哲也『激動する世界経済!』(ワック、994円)
宮崎正弘 v  室谷克実『日本に惨敗し ついに終わる中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円)
宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
宮崎正弘 v 石平『2015年 中国の真実』(ワック、シリーズ第五弾)
宮崎正弘 v 大竹慎一『中国崩壊で日本はこうなる』(1512円。徳間書店)
宮崎正弘 v 西部遭『日米安保五十年』(海竜社)  
宮崎正弘 v 黄文雄『世界が知らない中国人の野蛮』(徳間書店)
宮崎正弘 v 佐藤優『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社) 

  ▽□○□△□◇○◎み□◇▽や□○□ざ◎▽□○き○△□◇○◎□◇ 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(年末年始の小誌の発行予定)12月29日から1月3日までは原則休刊です
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2015 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

───────────────────────────────────
■今回の記事はいかがでしたか?
 下記ページより、あなたが記事の評価を行う事ができます!
  http://melma.com/score_v0103QMq607yvXepF0z49r9d4d76335d/

□このメルマガのバックナンバーやメルマガ解除はこちら
  http://melma.com/backnumber_45206/
□その他のメルマガ解除や登録メルマガの検索はこちら
  http://melma.com/contents/taikai/
───────────────────────────────────

0 件のコメント:

コメントを投稿